2017年07月31日更新

【特集記事】がん患者さんの在宅診療

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在宅医療の重要性が高まる理由

2006年に成立した「がん対策基本法」は、がん患者さんが安心して暮らせる社会を目指しています。2016年の改正後に策定された第3期がん対策推進計画で注力ポイントとされた「がんとの共生」を実現するためには在宅医療の充実が欠かせません。

在宅医療の中心的な役割を担うのが在宅療養支援診療所(病院)です。これらの医療機関は24時間体制で連絡を受け付け、訪問診療、訪問看護ができる医師・看護職員が配置されている医療機関です。病院を退院してかかりつけ医のもとでの在宅治療を継続する場合、24時間体制ではないケースもあるため、退院時に病院から在宅療養支援診療所・在宅療養支援病院を紹介してもらい、緊急時の対応について確認することが大切です。

在宅医療がもたらす充実した時間

在宅医療の良い点は、病院と違ってご自身の生活環境の中で治療を受けられることにあります

がん患者さんが在宅医療を受けるきっかけの1つは、標準的な治療の効果が得られなくなり、緩和ケアに移行する場合です。また、外来化学療法を受けながら、その副作用などに対する支持療法を在宅で受ける場合もあります。

在宅医療では、抗がん剤の服用や副作用を和らげる薬物治療、オピオイドを使った疼痛管理、緩和ケアなどが可能です。こうした治療を自宅で受けることで、患者さんは自身のペースで充実した時間を過ごすことができるのです。

認知症など併存症を持つがん患者さんへの対応

高齢化が進む日本では、多くのがん患者さんが腎機能や肝機能の低下、心血管・脳血管障害、糖尿病など複数の併存症を抱えています。

最近では、がん患者さんの中にも認知症を合併する例も増えており、これらを総合的に把握し、適切な治療方針を立てることが求められます。在宅医療では、がん専門病院だけでは対応しきれない患者さんのニーズに応えるため、医療機関同士の連携が重要です。特に認知症を併発しているケースでは、患者さんの日常生活を支えつつ、適切な医療提供ができる体制が求められます。

患者さんが「最後まで自宅で過ごしたい」という気持ちを持っているなら、その意志を尊重し、在宅での治療やケアを行います。患者さんの生活環境は多様です。同居する家族がいる場合や、独居で日中は家族が不在となる場合など、それぞれの事情に合わせたサポートが必要です。

また、ご家族もまた患者さんの在宅療養を支える重要な存在ですが、介護や精神的なストレスが大きな負担になることもあります。そのため、医療者は家族の心身の健康にも気を配りながら診療を進めます。

こうした在宅医療は、自宅以外にも、グループホームやサービス付き高齢者住宅など、患者さんが望む場所で受けることが可能です。

では、在宅医療を選択する場合に重要なことは…

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