「せん妄」は高齢者によく見られる状態です。 – TMMCドクターに聞く!暮らしの健康だより
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高齢者の方に突然、混乱した様子や理解力の低下が見られたら、「認知症かもしれない」と思う方も多いでしょう。しかし、その症状は「せん妄」かもしれません。せん妄は高齢者によく見られる意識精神障害の一つで、認知症と似た症状を示しますが、その性質や対処法は異なります。今回は、せん妄と認知症の違いや原因、対応方法について解説します。
せん妄と認知症の違いとは?
せん妄は、突然発症するのが大きな特徴です。数時間から数週間にわたり症状が続きますが、時間とともに状態が変化します。たとえば、5分前は混乱していた方が、今は正常な状態に戻っていることも珍しくありません。そのため、継続的な観察が不可欠であり、一度の診察では見逃されることもあります。
一方、認知症はゆっくりと進行し、日常生活に支障をきたす記憶障害や判断力の低下が持続します。せん妄のように急激な変化は少なく、症状が安定していることが多いのが特徴です。
しかし、医療現場でもせん妄の認知は十分とは言えず、認知症と誤解されるケースが多いため、家族や介護者が正しい知識を持つことが重要です。
せん妄の原因とは?
せん妄の明確な原因は解明されていませんが、高齢者特有の「虚弱な状態」に、身体的・心理的ストレスが加わることで発症すると考えられています。
【主な要因】
- 高齢であること
- 脳機能の低下(軽度な低下も含む)
このような状態に、次のようなストレスが加わると、せん妄を引き起こします。
- 急な病気や手術などの身体的ストレス
- 新たな薬剤による薬物反応
- 家族や友人の不幸などの心理的ストレス
- 旅行や入院などによる環境変化
特に、環境の変化は心理的な負担となりやすく、せん妄を誘発する要因になります。また、新しい薬を服用し始めた直後に症状が現れた場合は、その薬剤が引き金となっている可能性があるため、早めに主治医へ相談しましょう。
せん妄があらわれたら?
いくつかの対応策を取ることで、発症のリスクを下げたり、症状を軽減したりすることが可能です。その対応策とは…
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せん妄は認知症と混同されがちですが、ご家族や介護者が正しい知識を持って対応することが大切です。記事の続きとより詳しい全文は、こちらからご覧ください。