初めての介護付有料老人ホーム選び。費用の違いから見る最適な選択とは？～後編～

老人ホームの費用は「複雑でわかりにくい」と感じる方も多いでしょう。記事前編「初めての介護付有料老人ホーム選び。費用の違いから見る最適な選択とは？～前編～」（※内部リンク）

では、入居時に支払う前払い費用について解説しました。今回の後編では、毎月の費用について詳しく解説します。

※ここでの「施設」「老人ホーム」「ホーム」は、介護付有料老人ホームを指します。

毎月必要な費用とは？

老人ホームでの生活では、家賃以外にも食費、水道光熱費、医療費、日用品費などが発生します。特に、日常的に介護が必要な方は、介護保険の自己負担分や追加の介護サービス費も考慮する必要があります。具体的な費用項目を見ていきましょう。

■管理費

施設の維持管理や生活サービスにかかる費用です。共用スペースの維持費、事務費、人件費、水道光熱費、消耗品費などが含まれます。

■追加サービス費用（上乗せ介護費など）

介護保険の基準を超える手厚い人員体制を維持するための追加費用です。特に、24時間看護師が常駐する施設などでは、この費用が高くなる傾向があります。また、介護認定を受けていない自立した方が入居する場合、別途費用がかかるケースもあります。

■食費

食費には、食材費と調理にかかる管理費が含まれます。1食ごとに料金が設定されている施設が多く、食べた分だけ支払う方式が一般的です。

■介護保険自己負担分

要支援・要介護認定を受けた方が介護サービスを利用する際には、公的介護保険の自己負担が発生します。介護付有料老人ホーム（特定施設）では、毎月定額制で介護・看護・リハビリサービスを受けることが可能ですが、介護度によって費用が変動するため、別途計算になります。

■その他の個人負担費用

往診・通院の医療費、薬代、おむつ代、衣服代、携帯電話料金、社会保険料など、自宅での生活と同様に必要な費用があります。施設のホームページやパンフレットに記載された金額だけでなく、こうした日常的な支出も考慮し、月々の総費用を試算することが大切です。

施設による費用の違いとは？

入居時の費用は、0円から数億円まで幅広く設定されています。毎月の費用についても、同じ項目であっても施設ごとに大きく差があるのが現状です。具体的に、どのような点で違いが生まれるのか例を見ていきましょう。

■介護付有料老人ホームの費用比較（例）85歳・要介護3の方が入居した場合

AホームとBホームを比較すると、月々の費用に大きな開きがあります。では、具体的にどのような違いがあるのでしょうか？金額差の内容や根拠を見てみましょう。