実は家の中が危ない?高齢者の転倒予防とは
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高齢者が転倒し、骨折や頭部を強打することで要介護状態になったという話を聞いたことはありませんか? 介護が必要になる主な原因の一つに「骨折・転倒」があり、その割合は約13%にも及ぶと言われています。今回は、健康寿命を延ばすために重要な「転倒予防」について、理学療法士の視点から解説します。
転倒の原因は「外的要因」と「内的要因」
転倒の原因は、大きく「外的要因」と「内的要因」に分けられます。
■ 外的要因(周囲の環境に起因するもの)
・段差、障害物、カーペットやマット
・履物(靴や靴下)
・滑りやすい床(フローリングや浴室)
・家具の配置や高さ、照明の暗さ
・手すりのない階段
■ 内的要因(本人に起因するもの)
・加齢による筋力低下やバランス感覚の衰え
・視力や聴力の低下
・病気(めまい、認知症、脳梗塞、パーキンソン病など)
・服用している薬の影響(降圧剤、睡眠薬、抗不安薬など)
転倒を防ぐには、これらの要因を意識し、それぞれに適した対策を取ることが大切です。
実は家の中が一番危険!転倒が多い場所とは?
意外かもしれませんが、高齢者が転倒する場所として最も多いのは「自宅」です。東京消防庁のデータによると、高齢者の救急搬送の約8割が転倒によるもので、そのうち約6割が自宅での事故でした。特に、家の中(屋内)での転倒が約9割を占めています。
■ 転倒が多い場所ランキング
1位:居室・寝室
2位:玄関・勝手口
3位:廊下・縁側・通路
4位:トイレ・洗面所
5位:台所・ダイニング
家の中には、目立たない危険が多く潜んでいます。例えば、敷居や部屋の境目の小さな段差、カーペットや玄関マット、電化製品のコード、床に置いた荷物などが原因で転倒するケースがよく見られます。また、すり足歩行の方はわずかな段差でもつまずきやすいため、特に注意が必要です。
今すぐできる!転倒予防の対策
転倒のリスクを減らすために、家の中の環境を見直してみましょう。大がかりなリフォームをせずとも、手軽にできる対策がいくつかあります。
環境を整える(外的要因への対策)
・ホームセンターなどで購入できる段差解消スロープを設置
・カーペットやマットの下に滑り止めシートを敷く
・電源コードを壁沿いにまとめる
・床に物を置かないよう整理整頓する
・滑りやすいスリッパや靴下を避ける
また、どうしても改修が必要な場合は、介護保険を活用して「住宅改修費支給制度」を利用するのも一つの方法です。これを利用すれば、手すりの設置や段差解消の工事などに補助金が適用されます。さらに、工事を伴わない手すりは「福祉用具貸与制度」を利用してレンタルすることも可能です。
もうひとつは内的要因への対策として、生活習慣を見直すことです。例えば…
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