退院後の療養に困ったら。「ホスピス」という選択肢
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入院中の病院から、突然の退院を告げられ、戸惑った経験はありませんか? 特に高齢者や末期がん、難病の方にとっては自宅での療養や介護の負担が大きく、不安を感じることもあるでしょう。そんなときの選択肢の一つとして、「ホスピス」について解説します。
入院を続けさせてくれない理由
一般的な病院は、主に治療や救急対応を行う「急性期医療」の場です。ここでは、一定期間(90日)を過ぎると診療報酬が減額されるルールがあり、そのため治療が落ち着くと退院を促されます。しかし、療養の継続が必要な方や、余命宣告を受けた方など、自宅に戻ることが難しいケースも少なくありません。そんなとき、どのような選択肢があるのでしょうか?
退院後の療養先の選択肢
退院後に自宅での生活が難しい場合、日本には次のようなさまざまな療養施設や病棟があります。
1. 介護医療院
2018年に新設された施設で、医療と介護を一体的に提供。長期療養が可能ですが、全国に約800施設と、まだ数が限られています。
2. 緩和ケア病棟
主にがん患者を対象とし、苦痛を和らげるための医療やケアを提供。全国のがん診療連携拠点病院などで受け入れています。
3. 介護付有料老人ホーム(一般型特定施設入居者生活介護)
スタッフが24時間常駐し、日常生活のサポートを受けられる施設。ただし、看護師が常駐していない施設もあるため、医療依存度の高い方には向かない場合もあり、確認が必要。
4. ホスピス
医療依存度の高い方を対象に、医療と介護の両方を提供。特に末期がんや難病の方が、安心して療養できる環境が整っています。
緩和ケア病棟とホスピスの違い
「緩和ケア病棟とホスピスは同じ?」と思われるかもしれませんが、異なる点があります。
- 緩和ケア病棟:主にがん患者を対象とし、痛みの緩和や精神的ケアを重視。
- ホスピス:末期の患者が延命ではなく、生活の質(QOL)を保ちながら過ごせる場。
- ターミナルケア:積極的な治療よりも、穏やかに過ごせるよう配慮した終末期医療。
「ホスピス住宅」という新しい選択肢
最近、「ホスピス住宅」と呼ばれる施設が増えています。これは住宅型有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅の一種で、医療支援が充実しているのが特徴です。
【ホスピス住宅のポイント】
- 医療支援が手厚い(訪問診療・看護・介護が24時間体制)
- 病院ではなく、住まいとしての環境が整っている
- 介護ベッドやナースコール、バリアフリー設備が充実
また、介護付有料老人ホームでも、特定条件を満たせば訪問看護を受けられるケースがあります。
※掲載している情報は、記事公開時点のものです。
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自宅療養が難しく退院後の療養先に迷ったとき、「ホスピス」は医療と介護の両方を必要とする方にとって、安心できる選択肢の一つです。記事全文では、記事の続き、より詳しい情報をご覧いただけます。